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図解 新説 全国寝台列車未来予想図


<図解>新説 全国寝台列車未来予想図――ブルートレイン「銀河」廃止の本当の理由<図解>新説 全国寝台列車未来予想図――ブルートレイン「銀河」廃止の本当の理由



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図解 新説 全国寝台列車未来予想図
川島令三【著】
講談社刊
2008(平成20)年3月発行


来年(2012年)3月のダイヤ改正にて、またもや夜行列車が削減されることが判明しました。もうどうにでもなれと云ふ感じです。今度はいはゆる日本海縦貫線を走る寝台特急「日本海」と急行「きたぐに」が廃止されるさうです。
両列車とも思ひ出深いですが、特に「日本海」にはお世話になりました。愛知県在住のわたくしとしては、名古屋から乗れないので新幹線-しらさぎと乗り継ぎ、敦賀で「日本海」を捉まへたものであります。特にシングルデラックスと称するA個室があつた時代はほぼ毎年乗つてゐたやうな気がします。あれに乗つて一人宴会をするのは人生最高の愉しみとさへ感じ、こんなに幸せでいいのかね、と思ひました。わしはこの瞬間のために日々生きてゐるのだなあ、とね。

などと回顧してゐても今や虚しいので、川島令三著『図解 新説 全国寝台列車未来予想図』を開いてみます。
少し古い内容で、本書発売後に「はやぶさ」「富士」「北陸」が廃止されてゐます。
書名には「未来予想図」とありますが、第1章-第4章までは今までの歴史と現状の概観であり、肝心の予測と展望は第5章-第6章のみで、せいぜい全体の3分の1程度でせうか。書名と内容に乖離がございます。もつとも川島氏の本にはよくあることですが。また、「図解」を名乗る割には図解が少ないのであります。出版社の命名かもしれませんが、書名はもつと良く考へた方が良いのでは。

サブタイトルにもある、「銀河」廃止の本当の理由とは、畢竟JR東海に機関車の運転士が不足してゐることだと指摘します。それにも関連して、著者は新しい寝台「電車」の開発を提言してゐます。これは本当の意味の「電車」ですよ(鉄道車両を見れば何でも「電車」と呼称する昨今なので)。しかし3月11日以降、電化万能に疑問を呈する風潮になつてまいりましたがね。
その際の新造電車を使用する列車の編成表も披露されてゐます。「クイネテ」なんて面白いけれど実現は難しいでせうね。
国鉄が分割された時点で、すでに長距離寝台列車は全廃するのが暗黙の了解だつたのかも知れません。残るのは「カシオペア」「サンライズ」のみになるのでせうか。

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時刻表昭和史


増補版 時刻表昭和史 (角川文庫)増補版 時刻表昭和史 (角川文庫)



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増補版 時刻表昭和史
宮脇俊三【著】
角川書店(角川文庫)刊
2001(平成13)年6月発行


宮脇俊三さんは自著の宣伝めいた発言をほとんどしないのですが、本書は例外に属するやうです。特に若い人に読んでもらひたい、と宮脇さんとしては特別に思ひ入れのある作品ださうです。初版の「あとがき」には、かう書かれてゐます。

「駅々に貼られた旅客誘致のポスター、ホームに上れば各種の駅弁が装いをこらして積んである。冷房のきいた社内、切符を持たずに乗っても愛想よく車内補充券を発行してくれる車掌。
 そのたびに私は思い出さずにはいられない。不急不要の旅行はやめよう、遊山旅行は敵だ等々のポスター、代用食の芋駅弁を奪い合う乗客、車内は超満員でトイレにも行けず、座席の間にしゃがみこむ女性、そして憲兵のように威張っていた車掌。
 汽車に乗っていて、ときどき私は、いまは夢で、目が覚めると、あの時代に逆戻りするのではないかと思うことさえある。二度とめぐり合いたくない時代である。それゆえに、絶対に忘れてはならないと思う」(「あとがき」)


昭和8年の山手線に始まり、昭和20年の米坂線109列車までを取り上げてゐます。丁度日本が戦争に向かつて行く時代から挫折を味はふ時代に重なつてゐるのです。
初期作品に良く見られた諧謔調は鳴りを潜め、あへて感情を抑へた文章であります。これが大変効いてゐます。

そして有名な、山形県今泉駅前で聞いた玉音放送のくだり。駅前で放送が終つた後でも、人々は動かずにラジオから離れずにゐました。そこへ汽車が来ます。ここは何度読んでも胸がつまるところであります。

「時は止まっていたが汽車は走っていた。
 まもなく女子の改札係が坂町行が来ると告げた。父と私は今泉駅のホームに立って、米沢発坂町行の米坂線の列車が入って来るのを待った。こんなときでも汽車が走るのか、私は信じられない思いがしていた。
 けれども、坂町行109列車は入ってきた。
 いつもとおなじ蒸気機関車が、動輪の間からホームに蒸気を吹きつけながら、何事もなかったかのように進入してきた。機関士も助士も、たしかに乗っていて、いつものように助役からタブレットの輪を受けとっていた。機関士たちは天皇の放送を聞かなかったのだろうか、あの放送は全国民が聞かねばならなかったはずだがと私は思った。
 昭和二〇年八月一五日正午という、予告された歴史的時刻を無視して、日本の汽車は時刻表通りに走っていたのである。」(「第13章 米坂線109列車」)


本書は「増補版」といふことで、14章から18章までが追加されてゐます。確かに著者の語るやうに、鉄道史における戦後は、昭和24年頃まで続いたのであります。特に21-22年あたりが、日本の鉄道史最悪の暗黒時代といはれてゐます。米国に全てにおいて力の差を見せ付けられ、敗戦国であることを嫌でも思ひ知らされる屈辱の数々。
宮脇さんはここまで書かなければ完結しない、と思つてゐたやうですが、終戦時の今泉駅で燃え尽きたさうです。なるほど13章以前と14章以後では、文章の濃淡にかなり差があります。
しかしそれでも、この増補版でやうやく「完全版」として世に出た訳であります。その意味は大きいでせう。
今後も読み継がれることを切に願ふ書物のひとつでございます。

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震災と鉄道


震災と鉄道 (朝日新書)震災と鉄道 (朝日新書)



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震災と鉄道
原武史【著】
朝日新聞出版(朝日新書)刊
2011(平成23)年10月発行


本書の元になつたのは、ウェブマガジン上のインタビュー記事ださうです。しがたつて語り口調なので読みやすいのですが、内容はこの上なく重いのであります。
原武史さんは鉄道関係の著作がいくつかありますが、本職は政治思想史。専門外の気楽さからか、過去の鉄道関連著作には良い意味で「軽み」があります。
ところが本書『震災と鉄道』は違ひます。

一読しますと、原武史さんの怒りや焦り、どうしやうもない悲しみが伝はつてくるのであります。何だかやるせない感じと申しますか。
主にJR東日本に対する苦言が目立ちます。地元民鉄(例へば三陸鉄道)が復興へ向けて明確な目標と、それに必要な支援を要請してゐるのに対し、JR東は東北新幹線を早々と復旧した事で満足して、依然運休中のローカル線をどう復興させるのか、全く明らかにしません。まさか足手まとひのローカル線がこれで廃線に出来る、などと考へてはゐないでせうが。

また、こんな非常時にもリニア新幹線の建設計画を変更することなく邁進するJR東海にも言及します。
リニアの駅ひとつ作るのに地上駅なら350億円、地下駅なら2200億円かかるとされてゐます。一方JR東は、被災したローカル線をすべて元通りにするのに1000億強と表明してゐます。すると地下駅1駅の分で被災ローカル線は助かるといふ計算になりますが、お金をこちらへ回さうといふ話にはならないのであります。突き進め!リニアだ!といふ感じですかな。

私見では、東北新幹線を最優先に復旧させたりリニアの建設をすすめたりするのは、「復興」「躍進」が実に分かりやすい形で人民に伝はる、象徴的な意味合ひがあるのではないかと思ひます。
唐突な話ですが、これはウルトラセブンに登場した「ガッツ星人」を想起させます。
地球征服を狙ふガッツ星人は、セブンが普段モロボシダンといふ地球人に化けてゐることを突き止め、「ならばダンを殺せばいいではないか」といふ意見が出ます。しかし結論は「いや、セブンでなければ駄目だ」。
その理由を佐原健二のタケナカ参謀が述べます。「我々の心のより所であるセブンをその眼前で抹殺することによつて、地球人は容易に屈服を認めてしまふだらう」
JRの方針とガッツ星人の戦略は似てゐるやうに思ふのですが、違ひますかな。

原武史さんは言ふだけではなく、自分で出来る支援として、三陸鉄道の切符を60万円分購入したさうです。そして人に会ふたびにこれを渡し、支援の必要性を訴へたといふことです。
お金は、有る所には有るのです。それが効果的に使はれず、支援を待つ場所へは届かないのがもどかしい。そんな状況なのです。

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失われた鉄道を求めて


失われた鉄道を求めて (文春文庫)失われた鉄道を求めて (文春文庫)



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失われた鉄道を求めて
宮脇俊三【著】
文藝春秋(文春文庫)刊
2011(平成23)年5月発行


以前、同じ宮脇俊三氏の『鉄道廃線跡の旅』(『七つの廃線跡』改題)なる書物を取り上げたことがございます。
本書はそれ以前の、おそらく著者初の「廃線跡」をテエマにした作品と思はれます。
わたくし自身は廃線跡にはあまり興味はありませんが、宮脇氏の廃線跡紀行にはそそられる。やはり面白いのであります。

しかも路線の選定が渋い。玄人好みと申せませう。
タイトルを列挙しますと、「沖縄県営鉄道」「耶馬溪鉄道」「歌登村営軌道」「草軽電鉄」「出雲鉄道」「サイパン、ティニアンの砂糖鉄道」「日本硫黄沼尻鉄道」。
沖縄県営鉄道は、沖縄戦での爆撃によつて完膚なきまで破壊されたと事情通が言ふ。しかし鉄道は細長い。完全に消滅させるのは案外難しいのであります。どこかにその切れつぱしくらゐはあるだらう、といふことで沖縄まで出かけてしまふのです。

「編集部の加藤保栄君」なる人物が同行します。宮脇氏の見立てでは、記者出身だけに取材力に長けており、観察力の鋭さから歴史家か考古学者に向いてゐるのではないか、といふ人。「はたせるかな最近は歴史小説に筆を染めている」と書いてゐます。さう、実はこの「加藤君」、のちに作家の中村彰彦となるのでした。
さういへば『インド鉄道紀行』では、元俳優の高柳良一氏が編集者として同行してゐましたね。人に歴史あり。

文春文庫の5月新刊。新装版であります。

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国鉄の戦後がわかる本 下巻


国鉄の戦後がわかる本〈下巻〉暗中模索の日々編―昭和四十四年‐六十二年国鉄の戦後がわかる本〈下巻〉暗中模索の日々編―昭和四十四年‐六十二年


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国鉄の戦後がわかる本<下巻> 暗中模索の日々編
所澤秀樹【著】
山海堂刊
2000(平成12)年3月発行


こちらは下巻。暗中模索の日々といふサブタイトルが示すやうに、明るい話題は少ないのです。
何しろ上巻の最後で「よんさんとお」といふ最高潮に達した国鉄。当然その後は落ちる一方であります。
それでも新幹線が1972年、1975年にそれぞれ岡山、博多へ延伸されるなど、明るい話題もありました。
しかし嵩む一方の赤字を埋めるための運賃値上げを毎年行つたり、ストをやつたりして、さういふ良い面は吹つ飛んでしまつた印象です。

1975(昭和50)年に「新幹線大爆破」といふ映画が東映で製作されたのですが、協力を要請された国鉄はこれを断りました。今やボロボロの国鉄にとつて、新幹線は残された唯一の希望だ。それを爆破する映画だと? 到底協力なぞ出来るわけがないぜ、といふことでした。そこで東映は仕方なくミニチュア特撮を駆使して撮影をするのですが、やはり作り物感は拭へませんでした。

政治の道具にされ、国鉄総裁は時の与党に都合の良い人物が送り込まれ、組合(国労や動労)との折衝にあたる。末期の国鉄問題は、まさに組合問題でした。多くの血も流れました。運賃値上は常態化し、たるみ事故が続発し、もうこの辺になると日本全体が「国鉄憎し」の大合唱となつて、分割・民営化は不可避の選択となるのでした。
読んでゐても辛い部分ですねえ。

ところで本書の版元・山海堂は倒産した出版社でした。
うつかりしてゐましたが、新品を入手するのは難しいでせうね。

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