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旅の終りは個室寝台車


旅の終りは個室寝台車 (河出文庫)旅の終りは個室寝台車 (河出文庫)



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旅の終りは個室寝台車
宮脇俊三【著】
河出書房新社(河出文庫)刊
2010(平成22)年3月発行


宮脇俊三氏の鉄道旅は、一人旅が基本であります。
理由のひとつは、自ら「児戯に類する行為」と卑下する(実際にはさう思つてゐないでせうが)だけに、他人に知られずひつそりと旅をしたい、との思ひではないでせうか。
さらに別の理由として、同行者がゐると気を遣ふからと本文中に記してゐます。これは分かりますねえ。相手が鉄・非鉄にかかはらず、自分の行動が制限されるのは否めないからです。大体に於いて、僕がやりたい事は君には興味がないし、君がお薦めする行程は僕にはつまらないのさ、といふ関係に陥りがちです。

ところが、『旅の終りは個室寝台車』では、常に同行者がゐます。宮脇さんは『時刻表2万キロ』でデビュー以来、内田百の(阿房列車の)後継者といふ評を得てゐましたが、本作が一番阿房列車の路線に近いのではないでせうか。阿房列車にはヒマラヤ山系君こと平山三郎氏が、なかば保護者のやうに付き添ひますが、本書では藍色の小鬼こと藍孝夫氏が同行します。作家先生に対して言ひたい放題の編集者でございます。

10の旅程が収録されてゐます。作者によると、「東京-大阪・国鉄のない旅」以外は、すべてかねてより乗つてみたかつた列車もしくはコースださうです。鉄にとつては魅力的な旅でせうが、非鉄の小鬼は退屈してゐます。
6時間以上各駅停車の電車に乗る飯田線の旅では、予防策として中島みゆきのテープを用意するのでした。ところが、中島みゆきを宮脇先生が心ならずも聴くはめになつて、小鬼が満足さうに車窓を眺めてゐる、といふ逆転現象が起きたりして笑へます。

予算的には結構質素な旅です。食事も質素。それどころか昼食を食べそびれて、売店のポテトチップスで済ませた事もあります。爆笑。表題作「旅の終りは個室寝台車」は例外的に豪華な車両に乗り込みます。A個室寝台は私の少年時代では日本で一番豪華な鉄道客室で、憧れの的でありました。本文中にあるやうに、天井は無意味に高く、幅は狭いいびつな設計ですが、それでも当時主流の3段式開放型寝台とは雲泥の差で、いつかは乗るぞと心に決めてゐたのです。
大人になつて初めて乗れた時は、すでにそれより上位の「ロイヤル」(北斗星)が登場してゐましたが、やはり嬉しかつたものです。流れる車窓に身を任せながらビールを呑む。こんなに幸せでいいのだらうかと。宮脇さんも、これはむしろ「独房」だと悪態をつきますが、それでも嬉しさうです。かうでなくてはいけません。
皆も、読みませう、乗りませう。

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