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雑学のすすめ


雑学のすすめ (講談社文庫)雑学のすすめ (講談社文庫)



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雑学のすすめ
清水義範(文)/西原理恵子(絵)【著】
講談社(講談社文庫)刊
2010(平成22)年5月発行


雑学は面白い。これはたぶん実生活に役に立たないほど面白いと思はれます。
チップの発祥がロンドンのコーヒー店で、他の客よりも早く出して貰ひたい客の追加料金(to insure promptnessの頭文字でチップださうな)であつたなどと知つても、今後の人生に何ら影響は無いでありませう。
ソクラテスの女房が悪妻の代名詞となつてゐるのですが、どうもあまり根拠のない話らしい。ソクラテスの息子が自分の母(つまりソクラテスの妻)を悪し様にいふのを、野獣よりましだらう、などとたしなめてゐる場面から不当に悪評が広まつたさうです。
イキナリ別の本の話をしますが、三浦一郎著『世界史こぼれ話』によると、ソクラテスは若い者たちに妻帯を勧め、「良妻は最高だし、悪妻だと哲学者になれるよ」などと言つたらしい。
夏目漱石は癇癪持ちで、何かと妻に当りました。「子供をたくさん産む女は下等だ」などと毒づいてゐたら、それを耳にした編集者に「それは、あなたも悪い」と指摘され、さすがに笑つたとか。

『雑学のすすめ』は、『おもしろくても理科』以来続く清水博士と西原画伯のコンビであります。今回は肩の力を抜いた雑学がテーマなので、清水氏の文章は自在に話から話へ飛び、西原さんのカットもいつもより攻撃性が薄れてゐます。(『いやでも楽しめる算数』の時は罵詈雑言、早く連載終れの大合唱で、さすがに清水氏がかはいさうになりました。)
ゆゑに、机に向つて鹿爪らしい顔で読んではつまらないでせう。頭から読む必要もなく、目次を眺めながら興味のあるところから読んでいくのが良いでせうね。講談社文庫新刊。

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