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知的生産の技術


知的生産の技術 (岩波新書)知的生産の技術 (岩波新書)



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知的生産の技術
梅棹忠夫【著】
岩波書店(岩波新書)刊
1969(昭和44)年7月発行


梅棹忠夫氏逝く。朝刊の1面に訃報が掲載されてゐました。改めてその存在の大きさを思ふのであります。
公式な肩書きは民俗学者といふことになるのでせうが、広く一般の読者を魅了してゐたと思はれます。
中学校の教科書で初めて出会ひ、その文章では自分はあまり読書をしないといふ話を堂々としてゐました。
当時の学校教育では、本を読むこと=善、読まないこと=悪といふ空気がぷんぷんしてゐたので、新鮮に感じたものです。

『知的生産の技術』は、梅棹氏の著作の中では、おそらく3本の指に入るくらゐ、広く読まれてゐると考へます。根拠はないけど。41年前のこの本が、今でも読まれてゐるといふ事実がまづ驚異ですね。情報整理の考へ方と技術を伝授する本としては、その思想は現在でも通用します。もちろん駆使するツール類は変るでせう。しかし発見の方法や、記録する意義、いつでも取り出せる整理の仕方などは、PC時代でも思想は変らない。

「ペンからタイプライターへ」の章は、もちろん今では古い内容になつてゐます。1960年代後半の、日本語の表記問題がどう揺れてゐたのかが分かる文章です。臨場感がありますね。いふまでもなく日本語ワープロの出現によつて、ここに書かれてゐる問題のほとんどは解決してしまつてゐます。同時に、国語ローマ字化運動もなりを潜めました。当然ですね。やはりひらがなが多い文章は読みにくい。
日本語=非論理的言語論といふ、かなりの知識人も唱へてゐた主張をあつさりと否定するところも愉快であります。非論理的なのは、日本語ではなくそれを書く人間のことでした。

最近は本屋の岩波新書コーナーへ行つても、新赤版しかないことが多いので、本書を入手するには注文した方が早いと思はれます。ちなみに岩波新書は赤→青→黄→新赤の順に刊行されてゐます。
ところで気になるのは、「只棹埋男」なる人物が出てくる本のこと。何といふ書名なのか...

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