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喜劇人に花束を


喜劇人に花束を (新潮文庫)喜劇人に花束を (新潮文庫)



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喜劇人に花束を
小林信彦【著】
新潮社(新潮文庫)刊
1996(平成8)年3月発行


3部構成で、それぞれ大物喜劇人を取り上げてゐます。第一部は植木等。
いふまでもなく、クレージーキャッツのメンバーとして、映画に出演しまくつた男であります。
著者の小林信彦氏は東宝クレージー映画では、ギャグのブレーンとして参加してゐたので、いはば身内の一人とも申せませう。ただしクレジットはされてゐません。
ゆゑに映画におけるクレージーの凋落振りを痛烈に指摘しながらも、どこか自責の念も感じられます。
著者はクレージーの魅力は、①生の舞台②テレビ③映画の順番で、映画が一番つまらないとしてゐます。私は年代的にも生の舞台は見たことがありませんので、ははあ、さういふものですかとつぶやくしかないのですが。
確かに後年の映画(特に古澤憲吾作品)はギャグが空回りしたり、往年の冴えが見られないけれど、「ニッポン無責任時代」のやうな傑作はさうさう出来るものではありますまい。

第二部は藤山寛美。この人は完全な舞台役者として超一級なのださうです。私の父親も「映画では特に印象に残らないが、これが舞台では面白いのだ」と言つてゐました。
借金騒動や松竹新喜劇解雇、そして復帰とありましたが、結果的には寛美の名声を高める要因になつたやうです。
この人の不幸は、役者に徹することが出来ずに、劇団責任者としてすべてを仕切らざるを得なかつたことだと著者は指摘します。松竹新喜劇といふ団体ではそれが運命だつたやうです。
そして寛美といふ役者については...
「寛美の演技は、観客が肌で<感じる>ものであった。(中略)いくら数多く観ても、深層部分で<感じ>ない人には、無縁の芸であった。<寛美はすごい>と語れても、どう<すごい>のか説明できない芸であった」(本文より)
すると私なんかには「無縁の芸」だつたのかな、と考へると寂しいのであります。

第三部では伊東四朗。この第三部があることが本書の最大の特徴と申せませう。
てんぷくトリオも遠くなりました。今でもバリバリ活躍する伊東四朗さんですが、すつかり大物俳優の雰囲気も漂わせてゐます。
「伊東四朗の芸風は、どちらかというと、笑わせておいて<退く>タイプである。東京落語の味に近い」(本文より)
また著者が直直に伝へた言葉「欽ちゃんはコントの天才だけど、演技者じゃない。そういう意味じゃ、芝居のできるコメディアンは今いないでしょう。やるとしたら、伊東ちゃん、あなたしかいないんだよ」
これはコント55号が大人気の時代の発言です。
同時代に活動し、生で演技を見てきた著者の批評眼は説得力抜群であります。今後の伊東四朗さんを改めて注目したくなつたのでございます。

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