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風の食いもの


風の食いもの (文春文庫)風の食いもの (文春文庫)



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風の食いもの
池部良【著】
文藝春秋(文春文庫)刊
2006(平成18)年8月発行


池部良さんがゐなくなつてしまひました。私の大好きな俳優だつたのに。
それにしても、小林桂樹さん、池内淳子さんに続き、大物が相次いで亡くなつてゐます。何かの連鎖でせうか。
昨日から恒例の追悼上映ウィークとしました。

11日 暁の脱走(谷口千吉)
12日 妖星ゴラス(本多猪四郎)
13日 白夫人の妖恋(豊田四郎)
14日 昭和残侠伝(佐伯清)
15日 恋人(市川崑)
16日 潜水艦イー57降伏せず(松林宗恵)
17日 惑星大戦争(福田純)

いはゆる玄人受けする作品といふよりも、少しゲテモノ入つてゐますね。でも大好きなんだ。
故・井上ひさしさんも「大好きな男優の一人で、出演映画はほとんど観ている」さうです。 『そよ風ときにはつむじ風』の項でも述べましたが、昔は女の子にモテる男を「スケベリョウ」といつたさうです。つまり、池部良さんは二枚目の代表格とされてゐたのであります。

『風の食いもの』は、タイトル通り食べ物に関するエッセイ集ですが、戦争中のひもじい思ひをした頃の話が中心であります。したがつて、いはゆるご馳走はあまり登場しません。
大東亜戦争の敗因は「戦争に引っ張り出された兵士の、食いものの恨みに似た祟りだ」と断言するほど、酷い食糧事情だつたやうです。
そんな時代の話では、暗くふさぎ勝ちになりさうなものですが、池部良さんの筆は飄々としてユウモワさへ漂はせてゐます。これも芸のうちですかな。「もう池部さんはこの世にゐないのだな」と思ひながら読んでゐると、一層切なくなるのでした。

それにしても、これほどの大スタアが亡くなつたといふのに、報道各社の扱ひは小さい。大いに不満であります。
二重に悲しいなあ...

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