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日本の島々、昔と今。


日本の島々、昔と今。 (岩波文庫)日本の島々、昔と今。 (岩波文庫)



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日本の島々、昔と今。
有吉佐和子【著】
岩波書店(岩波文庫)刊
2009(平成21)年2月発行


先の梶山季之といひ、岩波文庫の顔ぶれも変つてきましたね。
本書は元々1981(昭和56)年に集英社から初版が出てゐました。取材はその前年といふことになります。
有吉佐和子さんは離島小説もいくつか書いてゐて、離島にはとても高い関心を示してゐました。
かういふルポルタージュを手がけるのも必然だつたと申せませう。

とりあげた離島は、焼尻島・天売島・種子島・屋久島・福江島・対馬・波照間島・与那国島・隠岐・父島。
上陸したら、もつぱら漁協を訪ねて、精力的にインタビューをします。この人の取材はいつも強引であります。読んでゐる分には面白いですが、突撃される方は困ることも多いでせう。しかし、手順を踏んだ上での取材では、通り一遍の内容しか得られないだらうことも理解できます。要するにこれでいいのでせう。

本文にもしばしば触れられてゐるやうに、海が国境になり、これらの島では常に隣の国を意識しながらの漁業となつてゐるのです。時には拿捕されたり、拿捕したり。
海洋国家日本の現状(30年前の)が、いかに心もとないかが分かるのであります。

そして番外として、上陸できなかつた島々が「竹島」「択捉・国後・色丹・歯舞」「尖閣列島」であります。きな臭くなつてまいりました。特に尖閣に関しては今まさに問題になつてゐますね。与党の代議士が尖閣の歴史を知らず、「これから勉強して...」なんて言つて失笑を買つてゐましたが、すでに30年前に本書でいきさつと問題点が網羅されてゐるのでした。地主さんの問題もね。「そこに石油があるからだ!」...
わが国の外交は、もう100年は希望が持てさうもないな...

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