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満員御礼!


満員御礼!―大相撲なんでも早わかり (講談社文庫)満員御礼!―大相撲なんでも早わかり (講談社文庫)



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満員御礼
銅谷志朗【著】
講談社(講談社文庫)刊
1996(平成8)年1月発行


「大相撲ダイジェスト」でおなじみだつた銅谷志朗さんであります。横綱千代の富士の全盛時には、自らを「放送界のウルフです」などと自己紹介してゐました。
相撲の「仕切り」が長くてまどろつこしいといふ向きには、「ダイジェスト」はまことに好評でした。
しかし仕切りを楽しむ人たちにとつては、何だか物足りない番組らしい。本書にもありますが、通はこの仕切りを楽しむのださうです。

私が相撲を見始めた頃は、麒麟児とか富士桜とかが、時間前に立つたりして面白かつたのですが、今では必ず制限時間一杯まで使い、更に待つたをしたりして冴えないのであります。解説の神風正一さんも、「お客さんは時間一杯までそつぽ向いとれば良いですよ」とやけくそ気味につぶやいてゐました。

銅谷氏は、教育者の素養でもあるのか、いちいち採点したり説教したりする癖があるやうです。
まづは「解説者の通信簿」。玉の海「時折まどろっこしいという感じを受ける」、若瀬川「声がカン高い感じで、しゃべりから受ける信頼感がちょっと欠けていた気がする」、出羽錦「アナウンサーが質問することに対して、「いえ」という否定的見解を述べることが多すぎて、いやみに感じることがある」...

相撲の楽しみ方とか、相撲協会の組織について、あるいは相撲記者の奮闘振りを解りやすく語つてくれるのですが、日本相撲協会を理想の組織として扱ひ、稲葉修元法相の言葉「相撲協会という組織は、警察機構の次に日本では優れた組織だ」を紹介する。今となつては痛いですな。
また、相撲の観戦切符の入手法が詳しく述べられてゐます。当時(15年くらゐ前)は、かなりの入手困難だつたやうで、「そこまでして...」といふ感が否めないですね。

最後に100問の相撲クイズ。試しにやつてみると、100問中68問しか解りませんでした。銅谷志朗さんの判定は「60問から69問の人は、単なる相撲ファン」ださうです。ははあ。しかし全体にこの判定は厳しいですね。40-49問正解を「相撲ファンではない人」、30-39問は「相撲嫌いな人」、20-29問は「常識のない人」といふ判定ですが、相撲嫌いな人は30問も正解しないでせう。特に関心がなければ、ほとんど解らない人が多いと思いますが、「常識のない人」扱ひはひどいですな。
全体では実に興味深い本なのですが、かういふ上から目線が目立つのが少し残念なところと申せませう。そのせいでもありますまいが、絶版ださうです。ふう。

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