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発光妖精とモスラ


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発光妖精とモスラ
中村真一郎/福永武彦/堀田善衛【著】
筑摩書房刊
1994(平成6)年9月発行


本日、中村真一郎生誕93年を迎へます。皆気付いてゐませんが、この人は凄い人ですよ。
さて、1961(昭和36)年の東宝映画「モスラ」(本多猪四郎監督)は、この『発光妖精とモスラ』が原作です。
中村真一郎・福永武彦・堀田善衛の純文学者3名が合作で書いた小説であります。

リレー形式で、[上]「草原に小美人の美しい歌声」・[中]「四人の小妖精見世物となる」・ [下]「モスラついに東京湾に入る」の3編を、それぞれ中村・福永・堀田の順で執筆。皆普段の仕事とは違ひ、肩の力を抜き愉しんでゐるやうです。
ちなみに主人公「福田善一郎」は、この3人の名前から付けられてゐます。
成功のポイントは、やはり巨大蛾の三段変化と、小美人の存在でせう。

後半は関沢新一によるシナリオ「第一稿」と「決定稿」が収録されてゐて、原作との相違を確認するのもよろしい。
小美人が四人から二人に減員されたり、ロシリカ国(米国を仮想)がロリシカになつてゐたり。さらに完成された映画では、米国側の要請で「ニューカーク・シティ」の破壊シーンが挿入されたりしてゐます。ちよつと紙工作みたいなセットでしたが。

映画「モスラ」は、それまではゲテモノ扱ひされてゐた怪獣映画の地位を向上させた存在と申せませう。気鋭の文学者に原作を依頼したり、新人ではなく大物俳優を主演に据えたり、田中友幸プロデューサーの心意気が感じられるのでありました。そんな「モスラ」を満喫できる一冊です。

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