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日本映画俳優全史 男優編


 

日本映画俳優全史 男優編
猪俣勝人/田山力哉【著】
社会思想社(現代教養文庫)刊
1977(昭和52)年11月発行


表紙は大河内伝次郎、赤木圭一郎、そして高倉健。しぶいのであります。
脚本家の猪俣勝人さんと映画評論家の田山力哉さんの共著。お二人とも既に故人となつてしまひました。

本書は男優編ですが、女優編・現代編もあるやうで、これらも入手したいところであります。
さて第一部と第二部に分れてゐて、第一部はいはゆる大スタア、スタア中のスタア(と著者が考へる)が取り上げられてゐます。
黎明期の尾上松之助(目玉の松ちやん)から現代の草刈正雄までちやうど50人。まあこの人選は妥当なところと申せませう。ただ、1977(昭和52)年当時にはまだ歴史的評価の定つてゐなかつた人たちが数人加はつてゐて、今から見ると「ウーム」となりますが、これはこれで面白い。
第二部はそれ以外のスタアが年代順に並んでゐます。三島由紀夫や新御三家、コント55号の二人も収録され、あれまあと思ひます。さすがに第二部になると、その人選は意見が分れるところでせう。

かういふ種類の本は、古ければ古いほど内容が充実してゐる傾向があるやうです。
ところが「宍戸錠」の項で、次のやうな記述があり仰天しました。

「(前略)その当時はまだ非常にやせて繊細な学生タイプであった。その彼が頬がふくらむ病気に掛ったとかで顔が大きくなり、身体全体が肥ってデカくなって、すっかり豪放なキャラクターに一変、(後略)」

「頬がふくらむ病気」...ギャグで書いたのでもなささうですが。宍戸錠さんの頬が突然ふくらんだ理由は有名な話でありますが、当時はさうでもなかつたのか。

ま、それはともかく、古い映画の鑑賞時には役に立ちます。一人の俳優人生にも栄枯盛衰といふかドラマがあつて興味深いですね。

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