fc2ブログ

若さま侍捕物帖 お化粧蜘蛛

image_2020061222423640b.gif

#00228「若さま侍捕物帖 お化粧蜘蛛」
天晴若さま、最後の活躍


製作国:日本
製作会社:東映(京都撮影所)
監督:松田定次/松村昌治
出演:大川橋蔵松方弘樹/佐久間良子/桜町弘子/柳家金語楼
公開:1962年12月23日


 大川橋蔵による「若さま侍捕物帖」シリーズ、堂堂の第10作目にして最終作であります。監督は大物松田定次とその弟子松村昌治の連名になつてゐます。松田が「総監督」「監修」的な立場なのでせうか。脚本は鈴木兵吾、若さまの最後の活躍を描きます。
 江戸・深川が舞台。深川は元元埋立地で、明暦の大火以降、災害に強い街づくりを目指した幕府が再開発地として武家屋敷をここに移設したさうです。地名の由来はこの一帯を開拓した大坂出身の「深川八郎右衛門」といふ人に因むといふことです。以上は映画と関係の無い話。

 で、この深川では山形勲の唐津屋と、佐藤慶の越前屋が牛耳つてをり、遠州屋小吉(田中春男)の十手も効力無しといふ無法地帯であります。前作でワルだつた田中が今度は十手持とは。それにしても、あんな芝居小屋が本当に有つたのでせうか。
 実は嘗て唐津屋・越前屋と並んで香川良介の肥前屋があつたのですが、これが殺されたらしい。与力だつた柳家金語楼がその事件を捜査してゐたところ圧力がかかり、キンゴローは首になつてしまつた。愈々魔境のやうな土地であります。さらに辰(松方弘樹)といふ、ガラの悪い若造が何かとブイブイ言はしてゐます。コイツはいつたい何者か......?

 最終作も肩の凝らない痛快時代劇となりました。松方の正体については、まあ何となく予想できたかなと。女優陣は中中充実してゐます。おいと役に再び桜町弘子、更に佐久間良子、悪女の久保菜穂子、門付の松島トモ子らが登場。松島は当時17歳ださうですが、この年齢の彼女は案外見てゐませんので新鮮でした。大体子役(ワカメちゃんとか)の印象で、さうでなければライオンに襲はれる小母さんの年齢の印象であります。
  やつぱり橋蔵は陽性の若さまが似合ふねえ。美剣士を絵に描いたやうな男であります。当時の女性の頬を赤からしめた事が想像されますな。リアルぢやないとか、荒唐無稽とか非難されても、やはりわたくしはかういふ時代劇が好きであります。
 デハデハ、皆様御機嫌よう。


スポンサーサイト



コメント


管理者のみに表示

トラックバック