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8月17日、ソ連軍上陸す


8月17日、ソ連軍上陸す―最果ての要衝・占守島攻防記 (新潮文庫)8月17日、ソ連軍上陸す―最果ての要衝・占守島攻防記 (新潮文庫)



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8月17日ソ連軍上陸す 最果ての要衝・占守島攻防記
大野芳【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2010(平成22)年7月発行


いはゆる「占守島の戦ひ」を描くノンフィクションであります。副題に「最果ての要衝・占守島攻防記」とありますが、光人社的な戦記物とはちと違ふやうです。

1945(昭和20)年8月14日にポツダム宣言を受諾した日本。翌日の玉音放送で多くの国民が終戦を知るところとなります。
ところが日本の最北端に近い千島列島の占守島では、終戦後の8月17日から三日間に渡つて戦闘が繰り広げられたのでした。ソ連軍のまさかの急襲が! この国は昔も今も油断がならない。

著者の大野芳氏は29年の歳月を費やし本書を完成させました。労作と申せませう。
おほむね時系列にこの戦ひが述べられ、停戦の軍使として関つた長島厚氏の講演が、適宜挿入されます。第七章「軍使は二人いたのか」では、長島証言によつて通説が覆る部分について語ります。聞き書き証言を中心にしたノンフィクションでは常につきまとふ危険性も感じるのであります。
人は大袈裟に語りたがる、或いは面白い話を脚色したがるものです。また、自分に都合の悪い事は無意識にせよ意識的にせよ隠す傾向があります。これはわたくしも同様なので、証言者を一概に責める気にはなれませんが。

そして「エピローグ」を読むと、北方領土問題の理不尽さを改めて感じます。多くの人に読んでもらひたい一冊と申せませう。
ただ、せつかくの力作に対してかかることを述べるのは申し訳ありませんが、大層読みにくい。文章といふより、構成の問題なのでせうか。読みながら何度も前の部分を読み返したり、突つかへるのでした。
単にわたくしの読解力不足なのか? と少し不安になりました。
以上。
 
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