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昭和史 七つの謎


昭和史 七つの謎 (講談社文庫)昭和史 七つの謎 (講談社文庫)



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昭和史 七つの謎
保阪正康【著】
講談社(講談社文庫)刊
2003(平成15)年1月発行


昭和史の前期に関しては、もはや「同時代史」ではなく「歴史」といつてよからう、と著者は述べます。
歴史として検証されるべきであり、検証してもなほ残る「謎」が存在する、と。
さういふ謎について、著者の保阪正康さんは大胆に迫るのであります。
例へば、著者自身の推測をあへて述べ、謎が埋まるやうにするジグソーパズルみたいな方法。
もしくは、歴史にタブウとされる「if」を使用し、事実に迫る方法とか。

第1話「日本の<文化大革命>は、なぜ起きたか?」...現在の日本も「前夜」あたりの空気に似てゐないかと思ひます。
第2話「真珠湾奇襲攻撃で、なぜ上陸作戦を行わなかったか?」...昔の東宝映画でも、藤田進の南雲忠一は攻撃しなかつた件で非難を浴びてゐました。
第3話「戦前・戦時下の日本のスパイ合戦は、どのような内容だったか?」...真珠湾攻撃が「騙し打ち」になつてしまつた経緯も明らかになつてゐます。
第4話「<東日本社会主義人民共和国>は、誕生しえたか?」...かつて手塚治虫さんは、このifが実現してゐたら、といふ想定の漫画を描いてゐました。
第5話「なぜ陸軍の軍人だけが、東京裁判で絞首刑になったか?」...本書を認めない人達は、どうやらこの辺が気に入らないらしい。
第6話「占領下で日本にはなぜ反GHQ地下運動はなかったか?」...日本人はこの数百年は変つてゐないのではないかと思はせるルポであります。
第7話「M資金とは何をさし、それはどのような戦後の闇を継いでいるか?」...真偽はともかく、タチの悪い話であります。まさに闇の中。田宮二郎さんの自殺は本当にM資金が原因なのだらうか。

かうして見ると、読み物として恰好の題材を得てゐますね。取材対象の人物が物故者だつたり、連絡が取れなかつたりで、調査の難航ぶりがうかがはれます。やはり昭和の戦前は歴史になりつつあると申せませう。力作。

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