スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夏の花・心願の国


夏の花・心願の国 (新潮文庫)夏の花・心願の国 (新潮文庫)



商品詳細を見る

夏の花・心願の国
原民喜【著】
新潮社(新潮文庫)刊
1973(昭和48)年7月発行
2000(平成12)年4月改版


原民喜は1951(昭和26)年に、鉄道自殺を遂げます。鉄道自殺は一番迷惑な死に方と申せませう。絶対にいけません。
で、今年は没後60年であることに今さら気付き『夏の花・心願の国』を取り上げてみました。
大江健三郎氏編集の本書は、戦前(広島で被爆する前)の作品はすべて省かれてゐます。それにより、本書の方向性も一層はつきりしたのであります。流線型。

「Ⅰ」~「Ⅲ」の三つのセクションに分割されてゐまして、「Ⅰ」に収められたのは妻の闘病、そして死までを描く作品群。「Ⅱ」は、いはゆる「夏の花」三部作。そして「Ⅲ」は作者の忍耐と願ひが痛々しい最終期の作品たち。編集の妙であります。

被爆を描いた作品は他にもありますが、これほど作為を感じずに感動を呼ぶものを知りません。電車の中で読まうと名鉄豊田市駅から乗込み、夢中になつて憑かれるやうに読みふけりました。電車はそのまま地下鉄鶴舞線に乗入れ、上前津駅で乗り換える予定だつたのですが、はつと気がついたら既に大須観音駅に到達してゐました。こんな経験は初めてであります。

作者はとにかく耐へてゐます。「鎮魂歌」の切なる祈りには心揺さぶられずにゐられないでせう。そして公開遺書の様相を呈する「心願の国」...実は精神的に強い人であつたと思はれます。被爆を体験した作家としての義務感が、創作の支へになつてゐたのでせうか。

本作は決して古典の棚に収められるものではなく、今でも我々の世界に問ひを発してゐるやうです。
一読して震へが来ますよ。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
FC2カウンター
FC2アフィリエイト
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSリンクの表示
リンク
フリーエリア
ブクログ                                                      にほんブログ村 本ブログへ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。