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知的創造のヒント


知的創造のヒント (ちくま学芸文庫)知的創造のヒント (ちくま学芸文庫)



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知的創造のヒント
外山滋比古【著】
筑摩書房(ちくま学芸文庫)刊
2008(平成20)年10月発行


近所の本屋へ行くと、ほとんどの店で外山滋比古さんの『思考の整理学』をコーナー展開してゐます。なぜでせうか。今この本は売れてゐるのでせうか。
帯の文句に「東大・京大で一番売れてる本」とか書いてありますが...何だか厭らしい惹句ですね。「だから何なのよ」と言ひたくなる。
さういふ訳でもありませんが、ここでは対抗して同じ著者の『知的創造のヒント』を取上げませう。

私が所持してゐるのは32年前の講談社現代新書版ですが、現在は絶版で入手困難なので、昨年再刊されたちくま学芸文庫版をとりあげることにします。
タイトルの『知的○○』といふのは、ベストセラーになつた『知的生活の方法』(これも講談社現代新書だつた)に端を発すると思はれます。当時『知的』を冠する書籍が多く出版されたと記憶してゐます。少し前の『品格』ほどではありませんが。(しかし梅棹忠夫著『知的生産の技術』はそれ以前からある。この本はずいぶん漢字がすくなく、ひらがながおほい文章で、わたしはとてもよみにくいとかんがへてゐる。)
教科書に載るとどんな名作も台無しになるが、例外的に寺田寅彦の文章は読んで頭がすつきりした、と著者は言ひます。私の場合は、多田道太郎、本多勝一、そして外山滋比古の各氏の文章がその例外に当ります。
本書も、論文などを書く学生を念頭においた記述が多いやうです。ワープロも普及してゐなかつた時代なので、現在は古いと感じる部分もありますが、それほど気になりません。むしろ現在でも通用する内容が多いことを感嘆するべきでせうね。メモについての薀蓄や、わざと途中でやめる読書法など、私もマネしたことがあるノウハウがいろいろ詰まつてゐます。
頭の中がすつきりするやうな読後感です。いいですよ。

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