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津軽


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津軽
太宰治【著】
新潮社(新潮文庫)刊
1951(昭和26)年8月発行
1968(昭和43)年7月改版


生誕100周年を迎へた太宰治。
没後61年にして、その人気は健在のやうであります。愛読者の一人として、まことに喜ばしい。
私が初めて読んだ太宰作品がこの『津軽』です。『人間失格』でも『斜陽』でも、或いは『走れメロス』でもなかつた。

元々出版社から依頼を受けて執筆された津軽の風土記ですが、他の作品にない明るさ、ユーモアに包まれてゐます。ゆゑに当時中学生の私は「太宰治といふのは、きつとユーモア作家なのだな」と勝手に納得してゐました。

本書執筆のため、太宰は3週間にわたる津軽旅行へ出発します。彼にとつて津軽は郷里であり、脱出してきた土地。複雑な感情が入り混つてゐます。実の兄姉たちと再会した際の、あの余所余所しさと言つたら!
それに比べ、かつて津島家(太宰の実家)に奉公してゐた「たけ」といふ女性に対しては苦労をして、やつとのことで再会を果たします。その場面は、割と呆気なく描写されてゐますが、「ああ、良かつたなあ」と感情移入させられます。

『人間失格』を最初に読んで、引いてしまつた方には、本書を是非読んでみてください。太宰治の印象が変ることでせう。

*入手難度・・・★☆☆☆☆(たいていの書店店頭で入手できる...無かつたらすまん)
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