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本のお口よごしですが


本のお口よごしですが (講談社文庫)本のお口よごしですが (講談社文庫)


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本のお口よごしですが
出久根達郎【著】
講談社(講談社文庫)刊
1994(平成6)年7月発行


古本屋の話であります。
本書でも少しふれてゐますが、近年の古本屋といへば、新刊書店みたいに明るいチェーン店が主流のやうですね。
チェーン店なので、買取の作業や値付けなども標準化・単純化されてゐます。
その名を聞けば誰でも知つてゐるブック○フといふ店は、ある期間売れないものは問答無用で100円コーナーへ移動するみたいですね。
私もたまに店に入つてみますが、高価な専門書とかが100円で販売されてゐるのを見ると、複雑な思ひがします。
井狩春男さん(取次ぎの鈴木書店の人)によると、専門の古書店の人がブッ○オフに「仕入れ」に行くさうです。

出久根達郎さんは古本屋のあるじ兼小説家であります。
本書にも、古本屋をめぐるさまざまな話が、数へてみたら150篇以上収録されてゐます。
一篇一篇は短いのですが、よくこれだけ話の種があるものだと感心します。
本や人に対して関心が高くなければ、かうはいきますまい。
その姿勢と文才が相まつて、名作エッセイ集が生まれたのであります。
余程のへそ曲がりか、極端な本嫌ひでなければ、きつと満足できる内容であると申せませう。

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