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渦


松本清張【著】
新潮社(新潮文庫)刊
1979(昭和54)年11月発行


太宰治と同じく、松本清張も生誕100年ださうです。といふ安直な理由でここにとりあげることにしませう。
昭和23年に没した太宰は、私にとつて完全に「歴史上の人物」であります。しかし松本清張は戦後頭角を現し、平成の世まで活躍した記憶に新しい作家。テレビ出演も多く、あの独特のクチビルは今でも印象に残つてゐます。
いや、身体的特徴はどうでもよろしい。とにかくこの二人が同い年とは意外なことでした。

『渦』は清張作品としては知名度は高くないかもしれません。しかし冒頭から一気に読ませる、社会派ミステリーの面目躍如たるものがあります。つまり面白い。
テレビ視聴率の知られざる内幕とやらに着眼した本作。視聴率に一喜一憂、右往左往するテレビ界の人々と、その謎をとことん追う調査員。かなりの長編ですが、ページをめくる手が止まらずぐいぐい引き込まれます。現在でも、視聴率の調査方法はこんなものでせうか...

*入手難度・・・★★☆☆☆




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