スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

野火


野火 (新潮文庫)野火 (新潮文庫)



商品詳細を見る

野火
大岡昇平【著】
新潮社(新潮文庫)刊
1954(昭和29)年4月発行
1987(昭和62)年5月改版


『野火』の舞台は、敗色濃厚となつた戦時中のフィリピンです。
田村一等兵は結核といふ因果な病に冒され、病院からも追い出されます。
分隊長からは、食糧を持たぬ病気持ちは面倒見れないといはれ、どこへも行くところがなければ死ねと突き放されるのであります。

 「臓腑を抜かれたような絶望と共に、一種陰性の幸福感が身内に溢れるのを私は感じた。行く先がないというはかない自由であるが、私はとにかく生涯の最後の幾日かを、軍人の思うままではなく、私自身の思うままに使うことが出来るのである」

何といふ悲しい「幸福感」、やるせない「自由」でせうか。
田村は単身フィリピンの荒野を放浪し、緊張感の持続する体験をします。はづみで現地の女性を射殺してしまつたり。
途中から行動を共にする安田、永松らは「猿」を捕えて食糧にするといふ。ん?「猿」とは...?

緊張感のある引き締つた文章で、読者は容易に『野火』の文芸世界に入ることが出来ます。
著者のキリスト教体験が効果的に生かされてゐます。寓意をどう読み取るかは人それぞれでせうが...
難解な用語や言ひまはしもところどころに存在しますが、まことに歯応へ・読み応へのある小説と申せませう。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
FC2カウンター
FC2アフィリエイト
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSリンクの表示
リンク
フリーエリア
ブクログ                                                      にほんブログ村 本ブログへ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。